項目
頓と
tonto
あとに打ち消しの言葉を伴って、物事が全く成立しないことや、程度が完全にゼロであることを表す副詞です。
意味
短い意味
「とんと」は、「とんとわからない」「とんと見ない」のように、主に否定の言葉と一緒に使われて「全く〜ない」「少しも〜ない」という意味を表します。「全く」や「全然」よりも少し古風で、昔話のような柔らかい印象を与える表現です。例外として、「とんと忘れた(完全に忘れた)」のように使われることもあります。
- 全く〜ない(否定を伴う)
- 完全に(忘れたなど)
意味の整理
完全な否定(〜ない)
後ろに否定の言葉を伴って、動作や状態が全く成立しないことを表します。
彼の気持ちがとんとわからない。
完全に(記憶がなくなる)
例外的に「忘れる」などの言葉を伴って、記憶が完全に消え去ったことを表します。
昔のことはとんと忘れた。
使い方のメモ
使い方
とんと + [否定形の動詞]
とんと忘れる
とんと + [見当がつかない等の慣用句]
使い方
よく使う表現
とんとわからない
全く理解できない
とんと忘れる
完全に忘れてしまう
とんと見かけない
全く姿を見ない
とんと見当がつかない
全く予想ができない
ニュアンス
場面ごとのニュアンス
| よく使う場面 | ニュアンス | 使い方のメモ |
|---|---|---|
| 全く予想や理解ができない時 | neutral | 知識や手がかりが完全にゼロであることを示し、「全然」よりも少し古風で柔らかい響きがあります。 |
| すっかり忘れてしまった時 | neutral | 頭の中から記憶が完全に消え去ってしまった状態を強調し、「すっかり」よりも少しくだけた印象になります。 |
似ている語
似た語との違い
| 似ている語 | 使う場面 | 同じではない点 | 短い例 |
|---|---|---|---|
さっぱり さっぱり / similar | 現代の会話で「全く(〜ない)」と言いたい時。 | どちらも否定文を伴いますが、「さっぱり」は現代でも頻繁に使われ、頭の中が空っぽになったような感覚に焦点が当たります。「とんと」は少し古風な響きがあります。 | さっぱりわからない。 |
すっかり すっかり / similar | 肯定文で「完全に(変化した)」と言いたい時。 | 「すっかり」は肯定文で完全に状態が変わったことを表すのに対し、「とんと」は主に否定文や「忘れる」という文脈に限られます。 | すっかり忘れた。 |
使い方のメモ
よくある間違い
普通の肯定文で「とても」という意味で「とんと」を使ってしまうこと。
「忘れる」などの一部の例外を除き、「とんと」の後ろには必ず否定文(〜ない)が続きます。
ビジネスメールなどの非常に硬い文章で使ってしまうこと。
少し古風で話し言葉に近い表現なので、フォーマルな文章では「全く(まったく)」を使う方が自然です。
例文
例文
その話は、とんと聞いていない。
その はなし は、 とんと きいていない。
文字どおり「聞いていない」と一緒に使い、情報が全く入っていないことを表します。
彼の気持ちがとんとわからない。
かれ の きもち が とんと わからない。
文字どおり「わからない」と一緒に使う、最も一般的な形です。
昔のことは、とんと忘れてしまった。
むかし の こと は、 とんと わすれてしまった。
比喩的否定形以外でも、「忘れる」という言葉と一緒に使って「完全に記憶がなくなった」ことを表せます。
最近、彼を街でとんと見かけない。
さいきん、 かれ を まち で とんと みかけない。
文字どおり人や物が全く姿を見せない状態を表します。
どうすればいいか、とんと見当がつかない。
どうすれば いい か、 とんと けんとう が つかない。
比喩的「見当がつかない(予想できない)」という決まった表現と一緒に使われます。
似ている語
質問
「とんと」は「全然」と同じ意味ですか?
否定文で使う場合はほぼ同じ意味です。ただし、「とんと」の方が少し古風で伝統的な響きがあり、若者の会話ではあまり使われません。
否定文以外でも使えますか?
基本的には否定文で使いますが、「忘れる(忘れた)」などの特定の動詞と一緒に使う場合に限り、「完全に」という意味で使うことができます。
丁寧な言葉ですか?
言葉自体に失礼な意味はありませんが、少し古風な話し言葉のニュアンスがあるため、厳密なビジネスシーンでは「全く」を使う方が無難です。
出典の詳細
- 項目ID
- 2097060
- 出典
- JMdict_english
- 版
- -
- 確認メモ
- 特別なメモはありません
- 表示言語
- 日本語
- 前の項目
- ざぶざぶ (zabuzabu)
- 次の項目
- ぶくり (bukuri)